ロイドの肩にもたれて、結衣は窓の外に目を移した。
雪はまだ降り続いている。
明日の朝に、少しは雪が残っているだろうか。
朝日に照り映える、雪化粧した庭を想像しながら、ふと気になったので尋ねてみた。
「ねえ、庭の植物たちは大丈夫なの?」
温暖なクランベールの植物は、寒さに弱いのではないだろうか。
突然冷たい雪をかぶって、雪が溶けた後、庭が枯れ野原になっていたら、なんだか切ない。
ロイドは笑いながら結衣を抱きしめた。
「相変わらず変な事を気にする奴だな。大丈夫だ。庭師たちが一日かがりで念入りに防寒コーティングを施した」
それはランシュが、言葉巧みに誘導して、バイオ専門の副局長に作らせたものだという。