ロイドには結衣が意地悪をしている事は分かっているようだ。
 耳元でフッと笑いが漏れた。

 その吐息が耳に触れて、無意識に身体がピクリと跳ねる。
 ロイドは結衣の腰を更に引き寄せながら、チュッと音を立てて首筋に口づけた。


「ひゃっ……!」


 飛び上がりそうになったが、両手でパイを持っているため抵抗も出来ない。
 耳元で意地悪な声がおもしろそうに告げる。


「おまえの弱点は知り尽くしている。それをよこさなければ、もっとイタズラするぞ」


 そう言ってロイドはもう一度首筋に口づけた。
 背筋がゾクゾクとして、結衣はたまらず降参する。


「わかったから! もうやめて」
「よし」