扉をノックすると普通に返事があった。
 まさかと思ったが、すっかり忘れているようだ。
 結衣は勢いよく扉を開いて怒鳴った。


「ちょっと、ロイド! リビングに散らかしているものを片付けてって何度も言ったでしょ?!」

「あ……」


 部屋の真ん中に座り込んだロイドが、顔を上げて気まずそうに振り向いた。

 彼の周りには機械部品や工具が散らばっている。
 また機械いじりに没頭していたらしい。

 ロイドは朝からリビングに所狭しと部品を広げて、機械いじりをしていた。

 自分の部屋でやればいいのにと思ったが、リビングの一角で寸法を測ったりしているので、そこに置くものなのだろう。

 家事をしながらその様子を見ていた結衣は、おやつ時までには片付けるようにと何度か声をかけた。