ロイドはユイの額を叩いて、大きくため息をつく。


「まだ具合は悪いのか?」
「もう平気。点滴打ってもらったら、ウソみたいに楽になったから」
「そうか」


 ロイドはニヤリと笑い、ユイを抱き上げた。


「よし。ハズレてたなら、仕込み直すぞ。ゆうべも朝もお預けだったからな」
「何言ってるの、昼間から」
「関係ないと言っただろう。今日は休みだ」


 真っ赤になって抵抗するユイを無視して、ロイドはそのまま二階へ向かう。

 我が子の顔を見るのは先送りになってしまったが、もうしばらくはユイと二人きりの生活を、思う存分満喫するもの悪くないとロイドは思った。



(完)