「食べ過ぎだって」
「は? おまえ、ゆうべも朝も食ってないんだろう? いったい何を食ったんだ」
「ケーキ二個」


 二個といっても、丸ごと二個食べたらしい。

 昨日ユイは、ヒマなので朝からケーキを作りまくっていたという。

 昼食を摂るのも忘れて、三個のケーキが出来上がった時、ロイドから帰りが遅くなると連絡が入った。

 いくらロイドでも、夜中に三個のケーキは食べられないだろうと判断し、比較的軽そうなシフォンケーキとロールケーキをひとりで食べたらしい。

 ユイによると、この二つのケーキは、食感も口当たりも確かに軽いが、かなりな高カロリーケーキだという。


「知っていながら、なんでそんな無茶食いしたんだ」

「お昼抜いてたから、いけると思ったのよ。実際、食べるのはあなたも顔負けな勢いだったし。けど、後でズシーンと来て、もう、気持ち悪くって……」

「ったく!」