もっと早い段階でそうするべきだったと、今頃になって思う。

 ロイドはフッと笑い、結衣の頭を撫でた。


「わかった。ホワイトソースの作り方は今度教えてやる」
「うん」
「選択の余地がなくなったな。風呂に入ってくる」


 そんな事を言いながらも、ロイドは結衣を抱き寄せる。


「言ってる事とやってる事がかみ合ってないんだけど」


 結衣が指摘すると、ロイドはメガネを外しながら顔を近付けてきた。


「腹が減ってるんだ。少し補給させろ」
「だから、すぐに作るから」
「分かってないな。オレにとってはおまえの唇が一番のエネルギー源なんだ。つべこべ言うな」