他に誰がいるわけでもない。結衣は諦めて、一言断りを入れる。


「……今日だけよ」
「わかった」


 ロイドの承諾を受け、結衣はやけくそになって、イタズラっぽく彼を見上げ、決まり文句を口にした。


「ご飯にする? お風呂にする? それとも、あ・た・し?」

「もちろん、おまえだ」


 ロイドは嬉しそうに笑いながら、結衣を抱きしめた。


「——と言いたいところだが、腹が減った。メシにする」


 ロイドの言葉に、結衣の顔は再び引きつる。