結衣はロイドに案内してもらって二階に上がる。

 二階には、元々ロイドが使っていた部屋と、夫婦の寝室と、空き部屋が二つあった。

 ブラーヌは妻と別れてから、二階の寝室は使わず、一階の自分の部屋で寝ていた。

 ロイドの部屋はそのままで、寝室は結衣とロイドが使う事になる。残る二つの空き部屋の内、一つが結衣の部屋となった。

 ロイドが言うには、以前はロイドの部屋以外は全部、ブラーヌの資料置き場になっていたらしい。
 各部屋の扉は開け放たれたまま、動かなくなっていたという。

 一通り案内してもらうと、後はそれぞれ自分の部屋に入り、すでに運び込まれていた荷物を片付けて、一日が終わった。