「おまえが好きな絵本にちなんだ祭りだ」


 クランベールでは遺跡が、神の竜として、古くから信仰の対象となっているらしい。

 毎年この時期、考古学者の計算を元にして、遺跡が夜に光る日に竜を慰める祭りが行われる。

 そのため、遺跡のある地方ごとに、祭りのある日は違う。ラフルールは今夜だという。

 そして祭りの行事として、竜が神に許されて天に帰る時、一緒に神の元まで持って帰ってもらえるよう、願い事を書いた紙を遺跡の装置の周りに貼り付ける風習がある。

 人口が少なかった頃は実際に貼り付けていたらしいが、今は数が多いので箱に入れて周りに置くそうだ。

 みんなで休憩コーナーの机に向かい、王子の渡した紙にそれぞれ願い事を書いた。


「これって効果あるの?」