「分かったから、待ってよ! 私、お風呂に入ってないの。入らせて!」


 首筋に口づけていたロイドが、顔を上げて結衣を見つめた。


「入って来なかったのか?」
「クッキー焼いてたら時間がなくて」


 結衣が苦笑すると、ロイドは身体を起こして、大きくため息をついた。


「ったく。五分で済ませろ」
「無理!」


 結衣は着替えを持って、浴室に駆けて行った。