「あぁ、すまない」


 そう言ってロイドは後ろに座り直した。

 そろそろ高速道路に入る。
 結衣は振り向いて、ロイドにシートベルトを締めるように言った。
 座席に縛り付けておけば、覗いて運転の邪魔をする事もないだろう。

 しばらくの間高速道路を走った後、最寄りのインターチェンジで降りて、近くのコンビニに寄った。

 ロイドの下着は蒼太に任せて、結衣はいつも発泡酒を飲んでいる父へのお土産に、ビールを六缶手に取った。

 ロイドは店内に並んだスナック菓子とカップ麺を珍しそうに眺めている。
確かにクランベールでは見た事がない。

 結衣のお薦めをひとつずつと、ロイドの好きそうな甘いチョコレート菓子を買ってあげる事にした。

 蒼太と一緒に支払いをしている様子も、ロイドは珍しそうに見つめる。

 以前ラフルールの街を案内してもらった時に、クランベールでは貨幣が使われなくなって久しいと聞いた。