結衣は思いきり動揺してわめいた。


「何言ってるのよ! 突然連れて行ったら、お父さんたちがビックリするでしょ? それにロイドだって心の準備が……」


 結衣の言葉を遮って、ロイドもサラリと言い放った。


「オレは別にかまわないぞ。おまえの両親には会っておきたいしな」
「……え……」


 結衣は一気に気を削がれた。

 そういえばローザンが、ロイドは社交的な人だと言っていた。
 普段、王族や貴族と接していると、結衣の両親のような庶民相手では、緊張しないのかもしれない。

 それとも何も考えてないのだろうか。

 クランベールでは異世界から人がやってくるのは珍しくないのかもしれないが、日本では絵空事だ。
 自分の事を何と説明するつもりなのだろう。