「そうよ」
「姉ちゃん、かっけーっ!」


 蒼太の感嘆の声を聞いて、ロイドが不思議そうに結衣に尋ねた。


「おまえ、脚気(かっけ)なのか?」
「ちがうわよ」


 わざわざ意味を説明して、妙なところで真似されても困るので、黙っておく事にする。

 結衣は気を取り直して蒼太に言う。


「とにかく、明日からロイドと予定があるから、三十日にならないと家には帰れないの。さっさと帰って」


 すると蒼太はサラリと、とんでもない事を提案する。


「じゃあ、ロイドさんも一緒に連れて帰れば?」