教室へ向かい鞄を机にかける。


1時間目は…古典か。



あっ!!教科書返してもらってない!



慌てて直樹の教室へ向かう。ひょこっとドアから中を覗く。



「直…」



見つけて呼ぼうとした声が、途中で止まった。



直樹は、昨日カラオケに誘って来た女の子と仲よさ気に話をしていた。



直樹の袖を握りながら笑う女の子。
そして、直樹は頭を撫でている。




ズキン


やだ…



直樹に触らないでよっ!




『直樹っ!!』



私は大きな声で直樹を呼ぶ。驚いた顔をする直樹。


けれど、急に怖い顔になって、私の方へ歩いて来た。


そんな直樹を見るよりも、女の子が気になって見てしまう。



女の子もすごい顔して私を睨みつけていた。




あの子…直樹の事好きなんだ…
私への視線で気付く。




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