少しだけ同情した。あんな顔してたら、“私がやりました”って言ってるようなものだったもんね。
好きな直樹の前でばれたんだもん。ちょっと可哀相だったかな。



『いや?あれくらい当然じゃない?もっと精神的に追い込んでも良かったんじゃない?』



「加藤君って以外にキツイね…。」




『そう?羽鳥がお人よしなんだよ。』




『何話してんの?』




割り込んで来た真理。



「別に何でもないよ。」




『あれ?なんか顔変じゃない?』



「えっ!?」


『目がいつもより腫れぼったい気が…』



何とかメイクでごまかしたと思ってたのに…真理は鋭い。



「実は昨日さ…」



入り口付近に立つ直樹を見つけてしまった。


直樹はまだ私を見つけていない。




慌てて机に突っ伏す。



これで加藤君と真理が壁になって見えないはず。




けれどそんな私の願いも虚しく、私を呼ぶクラスメイトの声。



「真理!いないって言って!会いたくないの。」




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