『羽鳥?…また気分悪くなってきた?』



心配そうな加藤君。
私は平気と言おうとした。



『具合悪いならとっとと帰れよ。』



そう私に言ってきた直樹。


『直樹君。私達も早く教科書買って帰ろう?』


私の存在をシカトするかの様に直樹をぐいぐいと引っ張る新井さん。




もういい…






もう…限界…!!!




私は鞄の中に入っていた古典の教科書を直樹の背中に投げ付けた。




『いっ!!?…痛ってぇなっ!!何するんだよっ!!』




見事背中に的中した教科書は地面に落ちて、パラパラと中身が風で開かれる。


一面真っ黒に塗り潰された古典の教科書。


直樹の目がそれに止まった



『何だよコレ…』



「直樹のせいで…こんな目にあったのよっ!ふざけんなっ!!誰のせいで気分悪くなったと思ってるのよっ!!誰のせいで…」



『誰がこんな事…』



呟く直樹を見てよりいっそういらついてしまう。



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