中まで透視されるんじゃないかって位凝視してて、私はその場で、鞄の中へ押し込み始めた。



『…でそっちは?本屋に何の用事?』

尋ねる加藤君。


そうだった。なんで直樹が新井さんとこんな場所にいるの?



『あ?別に…『私達は教科書を買いに。ね?直樹君古典の教科書無くしたみたいで、いつまでも彼女さんに借りてるのも悪いかなって思って、私が提案したの!ここの本屋に置いてるって聞いたから。』



直樹の顔を覗き込みながら話す新井さん。その手は直樹の腕を掴んでる。



なんで直樹は私の時みたく振り払わないの?



どうして?



『今日みたいに借りれないとき不便だから、買うことにしたんだよね?』



私の気持ちを知っててわざと直樹にべたついてる様に見えて、気持ちが悪くなってきた。



『そうなんだ。今用意するから店の中に入ってくれる?羽鳥も、また中に来る?』




加藤君に促されるけど、動けない。



.