『本当に気にしないで。行こう。』



「え?行くってどこへ?」


『お袋に買い物頼まれた。そこのスーパーまで行くから、そこまで一緒に行くよ。』



「うん。」



私は紙袋に入った教科書を胸元で抱えながら、加藤君と一緒に外へ出た。




『…紗英?』



え?




振り向くとそこには直樹の姿があった。



『お前…何してるの?』



私と加藤君を交互に見る直樹。
けれど私も一緒だった。


だって直樹の横には新井さんの姿。




「直樹こそ…どうして?」



『俺が先に聞いてんだけど。何そいつ。用事ってそいつと一緒にいる事だった訳?』



「違っ!!『羽鳥さんは俺の本屋に参考書買いにきただけだよ。』



加藤君が代わりに説明してくれた。
参考書って言ってくれて助かった。教科書を買いに来たなんて言われたら、絶対問い詰められるもん。



『参考書?…ふ〜ん…』



私のもってる紙袋に目をやる直樹。


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