なんか文句でもあるのか、
という顔で当然のようにこっちを見る魔王様。
それ全然理由になってないからね!
「と、とにかく!私は絶対にそんな部に入らないからっ!!」
よし、これで決まりだ。
こんなやつの言い成りになるもんか。
宣言して踵を返した。
あんな意味分かんない部に入れられて何されるか分かんないし、絶対に面倒な仕事とか押し付けられて、あげくには召使いの様に…。
「…めんどくせえヤツだな」
「…っ!?」
突然、体が宙に浮かんだ。
いつもより高い目線から見渡すと、横に黒い髪と整った怖い顔が見えた。
「な、何すんのよっ!!」
「うるせえ!耳元で喋んなバカ」
「降ろせっ!それにバカバカうるさいわっ!!私はバカじゃない!」
「バカだろ、バカ女!俺様の言った事が理解できねえのか、あ?!耳がいてぇんだよ!」
言い返そうと口を開いて、周りの様子が目に入ってきた。
私たちがうるさかったせいか、
すごく人が見てる。
急に恥ずかしくなって
目を閉じて顔を下げる。
頭に血が上るけど仕方ない。
魔王は気にしている様子もなく、
「おとなしくなったか」
とかなんとか呟くと、
そのまま黙って歩いていく。


