「アンタ何をそんなに怖がって…」
「架恋ちゃん」
背後から私の知る限り
一番麗しい方の声が私の名を呼ぶのが聞こえた。
だから、何故かますます震えだした日向はほっといて、すぐさま振り向いた。
「琴理先輩!!こんにちは!」
「こんにちは、元気だね。」
とびきりの笑顔付きで挨拶すると
真似できないくらいのほほ笑みで返された。
…悔しいけど嬉しすぎる!!
「どうしたんですかっ!?」
「おい、俺に対しての挨拶はねえのかよ!」
「日向に用事ですかっ??」
「おいっ!!」
「えっ……??」
さっきから琴理先輩との会話に邪魔が入ってくるなーと思っていたら、
すぐ後ろに魔王の姿が…!!
マヂで気づかなかった!
「ごめんなさい!えっと…」
「名前忘れてんじゃねえよ!」
「忘れてませんよー!」
「………、」
「………。」
「…やっぱ忘れたんだろ!?」
「はははははっ…。」
やばい!
怒ってるよすっごく!!
でもいつも魔王って呼んでたから
名前忘れちゃった!


