うっすらと瞼を上げると
顔面蒼白の真希と、その隣で私の肩をゆすり続ける茶髪の男。
…誰だこいつ。
もう起きたんだから手ぇ離せよ、バカ。
ほんとに死んだらどうしてくれるんだよ。
「日向くん!ほんとに死んじゃう!!」
真希が私の心の声をそのまま言ってくれたので、男はゆする手を止めた。
真希、ありがとう…。
「あの……」
そしてまるで重病にかかった人間のようにうつろに男を見やると、
茶髪の男の瞳が輝いた。
…嫌な予感……。
「良かったあぁーー!!!」
「ぅ…ギャッ?!」
見知らぬ男に抱きつかれて
またもや地面に後頭部をぶつけて
世紀の断末魔のような声を上げたあと、
私は意識を手放した。