どっちに向けて答えればいいのか分からない…。
それに今、名前を言った場合私は
『なんか気絶して変な叫び声をあげる変人』として認識されてしまう…!
「ねぇ!!俺のこと覚えてるー?」
「ひぁ、うっ…!!?」
ソファの後ろから腕が伸びてきて
具体的にはそこから檸檬の香水の香りがして、ギュっと首を絞められた。
「いやぁー、いきなり倒れちゃってビックリしたぁー。もう大丈夫なの??」
「……ぅ…、あ…っ!」
気道が塞がれて酸素が通らない。
死ぬ!!
私はまだ死んでなかったけど、今、死ぬ!
茶髪野郎にも分かるように
何度も強く腕をたたいてやる。
「ちょっと日向、やめなさい。」
「おら、手ぇ離せ。ここで事件起こすな!」
「へ?…え?!大丈夫??どーしたの?!」
どーしたの、じゃねぇよ!
お前のせいで死にかけたわ!!
どっかに逝きそうになったわ!!


