「ねぇ日向くん」
「んー?あれ、真希どーかした??」
「架恋がいなくなったんだけど」
「そーいえば…いねぇな!」
「携帯もつながらないんだけど」
「ふーん、…それで??」
真希の手が日向のネクタイをつかんだ。
この至近距離だからこそわかる真希の暗い表情に、なぜかデジャヴを覚える。
さっきまでのんきだった日向の表情が
一気に青く染まる。
「…あんた、同じ部活なんでしょ?
ちゃんと責任もって探しなさいよ」
「……っ!」
やばい、めっちゃ殺されそうやん…。
うちの部長よりもしかしたら上?
こいつ、上の存在なんか…?!
恐怖に目を泳がせて
口を開こうとしない日向にいらいらしたのか、
真希の表情が険しくなる。
「…返事、は?」
「っ、喜んで探させていただきます!!」
「…ふふふっ、良かった!
じゃあ私は部活あるから、よろしくね!」
「お…おう……」
明るく去っていく真希の姿を見る。
先ほどまでの恐ろしいオーラは微塵も見えない、が、日向の心の中にはまだあの時の恐怖が残っていた。


