……で、鬼の郷…

風神さんのお屋敷に戻ってきた私。



もう、放心状態だ。




「…………。」




…まさか行ってこいと

言われるとは思ってなかった…



いや、帰ってくるなと

いわれたような気もする。





一人沈みまくる私の隣に

ドカっと座り込む風神さん。





いつのまに着替えたのやら


藍色っぽい色の着物を身にまとい、

手を通さず肩に羽織をかけていた





そしてなにも言わず、

手に持っている煙管を吸う。





そんな風神さんをじーっと見て

はぁ…と小さく息を吐く。




(…やっぱり、
大人っぽいなぁ…風神さん。)





色っぽい、綺麗な横顔を見つめながら

また溜息が出てくる。