鬼の花嫁







「あー男連れかよ」




そう吐き捨てて去っていく男達。





ポカーンとする私。

男?私、男なんて連れてたっけ?





「おい」





つんっと頬を突かれ、

ハッと我に返る。





「あ、ありがとうございまし…ぇええ!?」





お辞儀をして顔を上げた途端に

視界に入る超イケメン!




サラサラの漆黒の髪に、キメ細やかな白い肌、

鼻筋が通っていて高い鼻、

なんとも抜群な唇に、スラリと伸びた脚、



そして、すべてのものを

飲み込んでしまいそうな真っ黒の瞳…





ゲームやアニメの世界から

飛び出て来たような容姿に思わず見惚れる。




(……綺麗な人)





「名前は?」

「え…、あ!」




声をかけられ、

あせあせとほんのりテンパる。