真剣な表情の風神さんを見つめながら

ふとこんな疑問が頭を過る




「あの…ここじゃないと
 元の所に戻れないんですか?」




その質問に顔を上げ、

淡々とした口調で答える風神さん。




「いや、別にどこでだってできる」

「は!?」





じ、じゃあ

ここに来る必要はなかったって事!?





「…だが、あまり人間界へ行くのは
 見られては困るからな」

「え…どうしてですか?」

「鬼の当主が外へばかり出ていては
 示しがつかない。
 当主が人間界へ行っていると情報が漏れれば、
 俺が居ぬ間に郷を襲われるかもしれんからな」





と、当主……………


この人、結構すごいって事だよね…



あっ、だからあんな

大きなお屋敷に住んでるわけだ。