その手を握り、視線をそのままに
あたしは口を開く。
「風神さん、私決心しました」
私の言葉に、風神さんの表情が
真剣なものへと変わる。
そんな彼に穏やかな笑みを浮かべて
言葉を続ける。
風神さん……
貴方は私の最愛の人。
出会って短い期間でしたが、
私は貴方にもうメロメロなんですよ。
きっと……
私の運命の人は、初めから
貴方に決まっていたのでしょうね………
「私……鈴村桜は、
風神さんの妻になります」
たくさん考えて決めた。
当主の嫁に相応しい女性になれるよう努力し、
風神さんを支えられる素敵な人になろう。
あたしも……貴方と共に生きたいから。
にこりと微笑んで、
風神さんの手を握り締める。
すると、風神さんの手が
私の頭に伸びてきて………