「そんなに愛しているお前に…
俺は苦労などさせたくはない。
 …が、そうもいかない」




それは当主の妻として、

しなければいけない事があるって事…



きっと、私が思うよりも

過酷なんだろう





「それでもお前を離したくないという
 俺をお前は笑うか?」




苦笑いを零しながら

私に聞いてくる




「笑いませんよ……
 私も貴方と同じ気持ちだから」




優しく微笑むと、

同じように優しい笑みを浮かべる




そして、

唇が触れようとした時……………







「ふ…風神よ」


「「っ!!」」






この声は紛れもなく、

無捏灯さん……!