「あの…姫様ー…?」
「えっあたしが姫!?」
目を真ん丸くさせ、
自分に人差し指を向け顔を差す。
「旦那様の奥さまでしょう。あたりまえじゃないですか。あっ、奥様とお呼びした方がよろしかったですか?」
ふふっと笑う女の人。
き、綺麗な人ー……
しかし、私は風神さんの奥さんじゃないよ。
お嫁さんになる気も毛頭ないよ。
「お食事の用意ができていますのでお持ちしてもよろしいですか?」
「食事……」
きゅうぅぅ…と鳴るおなか。
「ふふ、お持ちしますね」
「お、お願いします…」
さささっと
廊下を歩いて行く女性。
笑われたー!


