彼の家に入っても相変わらず

お姫様抱っこをされている私。



たまらなくなって口を開く。




「いい加減…っ降ろして下さい」

「…いいだろう」




乱暴に降ろされるかと思いきや

ふわりと優しく降ろしてくれた。



きょろきょろと不安げに辺りを

見渡す私をチラリと見て、

風神さんが一人の女性に声をかける。




「おい」

「なんでしょうか、旦那様」

「逃げないよう、こいつを捕まえておけ」

「はい」

「な…っ!」