鬼の花嫁








その仮面の人物は刀を鞘から抜いて

私に鋭く尖った刃を向ける。





<我ら狐はお前を食いに来た>





そう言って、トン…ッと一蹴り……

人外としか言いようのない程の飛躍で

私の前まで飛び、グンッと刀を降り下げる狐。





「ひ…っ!」





叫びながらもギリギリで刀を避け、

地面に転がる。




せ、せせセーフ!!

私、避けたよ!すごい!





「っ…」




しかし、避けた時に刀で

少し切れてしまったのだろう。


服が避け、二の腕からツウ…と

赤い鮮血が流れた。





「そうだ、我らはその血が欲しい!」





高ぶった声を発しながら

またもこちらに襲いかかってくる狐。




逃げようとし、

立ち上がろうとしたが……




「!?」





恐怖で腰が抜けてしまったのだろう、

足が震えて力が入らない。