淡々と担当医は、病名と状態を告げていた。
ただ、少なからず優しげな口調で、こう言った。
『お母さん、希望を捨てないでください!まだ死ぬと決まったわけじゃないのですよ。治療ちゃんとすればまだ助かる見込みは、あります。望みを持って下さい。あきらめないで頑張りましょう。』

精一杯、励ましたが、泣き崩れ座っていた。
『みお[愛音]ーなんでなのよ~!なんで……!?』


しばらくした後、決心し、みお[愛音]に母は、打ち明けた。


みお[愛音]は、母を気遣い、一番つらかったが、一番の笑顔で答えた。ただ一言、『頑張るよ、お母さん!』っと言った。

なんとも切なかった。

涙をこらえ、『そうね、きっと良くなるわ。前を向いていれば、なんとかなるわ!』

弾ける満面な笑顔だった。


この直後オレは、病室にやっとの思いで辿り着いた。ただ、なぜあんなにも笑顔なのかは、この時は、知るよしもなかった。