『優貴くん、優しいね。私とは…ぜんぜん。』

えっ。っと唖然としていたら、
いきなり泣き出した。

『おっおっおぃ!どうしたんだよ?』

焦る。

だが、よほど、大変な事があった様にみえる。

ハンカチを渡し、しばらく、黙々とゆっくり飲んでいたら、優花は、また口を開いた。

『私ね~。初めて、人を深く、傷つけてしまったかもしれない。それがとてもショックなの。』
涙声混じりだ。

24歳の人間には、見えないぐらい純粋に悔やみ、泣いている。

人間には、誰しも持っているプライド。でも、皆不完全だから何かの拍子に、壊してしまう。そんな気がなくても。

優花も、また、壊してしまった。相手のプライドだけでなく、自分のプライドをも。


だが、それでもやり直せる!優しい良心を持つことで。壊れきったワケじゃないんだから。


時間を忘れ側で泣くやむまで待っていた。

『ごめんね。ありがとう。』と優花が言った。

『優花、お前も十分優しいじゃないか!悔やんだり、落ち込むっていう事は、優しい証拠だよ。今日は、思いキッリ泣いて、明日謝ればいいんだ!!オレ、気が済むまで側にいるから。』やっと、なんとか、言葉をかけられた。

すると、鼻水声で、『もういいの。沢山泣いたから、ありがとう。優貴くん、優しいね。本当に、優しいね。優貴くん、実は、…』

うーん?まだなんかあんのか??
『優貴くん、私初めて、ボロボロに泣いたの。悔しくても、悲しくても、ぜんぜん、人前で泣けないでいたの。だから、なんか今日は、嬉しかったの。優貴くんだったから…かな。』

…。なんだ?褒められてんのか!?
意味深く感じたが、変に考えてしまうとヤバいと思いつつあっさり答えた。
『そっか。そりゃあ~良かった。明日も、優花が笑える1日になるといいな!』

『ありがとう。やっぱり優くん、優しいね。』

さっきまで、泣きじゃくっていた優花が照れながらも笑顔になっていた。
それにしても、『優貴くん』じゃなくて、『優くん』!?なっんでぇ~?

っとも考えつつも、喜んでいた優花の顔を見てホッとした。

『優花、明日も、笑顔になれよな!』

『うん。』

オレは、思う。優花もみお[愛音]も1日が幸せであればと、思う。