優貴くんと…。ううん、優貴と長く二人きりでいれたし。抱きしめてくれたし。それだけで幸せで熱くなっちゃて。』
『でも、風邪引かせるわけには、いかない。戻ろう。』
なんだかんだと、のろけつつオレは、ズルさかもしれないが最後に優しく抱きしめた。お互い、好きと言いながら。

『あっワゴンきてる。晩御飯だ。』
『うまいの?』
『微妙。仕方ないもん。病院だし。あっ手紙だ。』
白カードがそこには、あった。
『お母さんからだ。』
『なんて、書いてあるの?』
『…。内緒。』
『ケチ。教えてくれてもいいのによ。』
『残念でした。』
『じゃあ、帰るから。』
『うん。バイバイ。またねー。』思ったよりあっさり。
っと思っていたら、飛んで来るみたいフラフラしながら優しく首をとらえてきた。
『くるひぃ~。』
『やっぱ寂しい。ずーっと一緒にいたい!!!』
『また来るよ。心配するなって!』
『ほ ん とに?』
かなりの甘えん坊さんだ。ズルイ。甘え方も可愛い過ぎる。思わず抱き寄せそのまま一度座らせ、頭をなでおろし、再度深く黙って抱き寄せ人目を気にせず抱きかかえた。
『ねぇ~恥ずかしいよ。おろひて。』
『ダメ。』
『ケチ。』かなり照れては、いるが嬉しそうだ。調子に乗って病室までお姫様抱っこだった。やっとの事、病室の前でみお[愛音]を支えつつもおろした。『また来るからな。』
『うん分かった。待ってる。もっと今度は、話ししよう!!』
『そうだな。』
『まだ話せてない話もしたいし。』
『ああ。お姫様の話し聞きたいです。』
『もう、優貴ったら』
感情のピークなのだろう。いきなり、目をつぶってと言った。オレは、赤面しつつも目を閉じてやった。頬に暖かさがあった。

今までの中で一番ハッピーで熱く素敵な1日となった。もちろん、これが、みお[愛音]と幸せの始まりでもあり、のちにおとずれる、切ない恋の1ページだったのだ。