そして、約束の日。
その日は、休みの日。病室迷わず、朝10時に到着。外は、肌寒い秋空だ。オレの格好は、それなりに、ダサい。スポーツオタクでスポーツ用の服なら沢山あるのに、マシなのがない。とりあえず、黒白のチェックの服とジーンズ。茶色のスニーカー。ベージュのカンカン帽に普段メガネしないが薄い水色メガネ。どこか、行くわけでもないのにオシャレした。みおに会うために。


『トントン、失礼します。』
『おはよう、優貴くん。』
『あっ、おはよう。』
『あれ?オシャレじゃん。』
『へんだろう?』
『変じゃないよ。』
『そうか~!?』
『うん。』
『それより、おばさんは?来てないのか?』
すっと、起き上がった。みおは、続けて話しだした。

『ねぇ~。横座って。遠い。』
『いや立ってるほうが。』
『ダメよ。遠いと話しづらい。』
『仕方ないな。分かったよ。』
横に座って話しをする事になった。
ドキドキだ。瞳ぼれした、相手の横にまじまじと、座るんだから。

『お母さん、今先生と話してるよ。私の最近の状況について。』
『みおは、聞かないで良いのかよ。』
『うん。優貴くんに会いたかったから!』
『えぇ~!?』
『えっあれ~困った?』
『いや別に。』
びっくりだし、嬉しかった。オレは、照れた。
その時だ。廊下から声がした。『あれ?どちらさんかしら?』みおの母親の声だった。
急に、オレも、みおも、照れた。オレは、立ち上がり『お邪魔しています。』っと言った。
『あら、優貴くん。お久しぶりね!今日は、見舞いに来てくれたの?』
『あっ、はい。』
『それは、ありがとう。今日は、何時までいるの?』
『えっいやあの。』
困った。答えられない。
『もう~!!』みおが割り込んできた。
『優貴くんを困らせないで。何時だっていいじゃん。来てくれたの。』
『でも…。』
やべー。なんか、微妙な感じだ。だが、良いタイミングでお昼時だ。
『みお、ちょっと下で飯食ってくる。』っと言うと、『ちょっと、待って。』っとみおに止められた。ますます、ヤバい感じだ。
『でも、昼だよ。だから行くな。後でまた来るから。』
『帰らない?』
なぜここで心配?飯食ってくるだけだぞぉ?っと不思議に思いつつ、『ああ、まだいるから。言ったろ、オレは、約束通りの男なんだよ!下で食べるだけだから!』っと言うと、みおは安心しきった顔で、『うん、分かった待ってる!』っと言った。