優花と吹奏楽顧問が到着したのは、開演30分前。
そこには、みおの姿は、いなかったのだ。

『先生、みおは?』『優花、みおは?』と、部員達は、二人に問い合わせようとしたが優花は、なかなか答えようとしなかった。

ようやく、顧問の先生が、『みお[愛音]さんは、体調が悪いので。今日は、来られません。その代わりに、伝言です。私の分まで演奏会を楽しんで下さいね。の事ですから、皆さん、最後まで気を締めて楽しんで演奏会にはげみましょ!』と、言った。
あんまり、納得しない感じの部員達だったが、優花が『さぁ~!頑張ろう。』と、変に張り切って言うので、他の部員達も、同じように頑張りを見せた。

そして、みお[愛音]の居ないまま演奏会が始まった。それぞれのパートによる演奏だったり…。

演奏会は、一応終わった。みお[愛音]は、いなかったまま。事情の知らない、みおの友人やなぜかある、ファンや、なぜか興味を持つ羽目になったオレ。吹奏楽の部員達に尋ねた。そしたら、優花が『仕方ないの、みおは、体調不良なのよ。』と答えたが、優花は、答えた後、足早に帰っていった。でも、オレには、優花の帰る様がなぜだか、悲しげに映った。
その時は、まだ、本当の事を知る事は、出来なかった。
でも、その後、オレら特にオレは、初めて、みおの体調不良の理由を知る事になるのだが。