優花は、ホッと一息をついた。
ありがとう。っと言って優花は、微笑んだ。
話題は、オレに代わった。

『優貴くん、ベスト16入りしたんだね。おめでとう。』っとみおの母親が話す。

『ありがとうございます。』っと言ったつもりだがつい、『あざーす』っと言ってしまった。優花や目をつぶっていた、みおまでも、『ぷっ。』っと笑いやがった。
つい、オレもつられて笑った。
まぁ~、空気変えれて良かったかな。
『次は、いつ試合するの?』点滴終わりのみお[愛音]が言う。
『明後日だ。朝10時なんだ。』
『明後日かぁ~。行きたいなぁ~。無理よね。』
母親『無理ね。』
『無理ってはっきりだし。優貴くん、』
『う~ん?』
『応援してる!頑張ってね!』
『あっありがとう。頑張るよ。』
また、優花が話しだした。
『どこと、対戦するの?』
『去年の準優勝高。』
『えっ強いじゃん。うちらは、去年?』
『第5位だった。そして、その準優勝高に負けた。だがな、今年は、絶対勝つぜ。』

『偉い。諦めないのね。頑張ってね。』っとみおの母親が言う。
『ありがとうございます。』と言うと、『あざーすっで良いのに!』っと笑って言われてしまった。
『でも、本当に来てくれてありがとう。嬉しいよ。』っとしんどげな身体を起こしてみお[愛音]は、微笑んだ。でも『大丈夫か?』と言ったオレに『大丈夫だから早く帰って。』言った。なんか、よけないの事言ったかなっと悩むオレにみおは、焦るかのように『本当に、大丈夫だから。』と言った。

みおの母親も『ごめんなさいね。』
どうしょうもない不意陰気なんだと思い、笑顔で『いゃぁ~。お邪魔しました。オレ帰ります。体休んで明後日の試合に備えたいので。』
オレは、そう言ったがしばらく先で、なぜか泣けてきた。男が道端で泣くのは、恥ずかしいっと思ったが…。

こう、思ったからだった。
みお辛いだろうな。長く入院してるし、治る確率の少ない病で、心が苦しいだろうな。ちょっとでも、外の世界にいたいだろうな。そんな風に思った。

その頃病室で、さっきまで笑顔だった、みお[愛音]は、泣き崩れていた。そして、みお[愛音]の心を一番理解している優花もやはり、泣いていた。でも、優しくみおの背中に手をそっと添えていた。
もう、外は、日が落ちていた。
『お母さん、何か飲み物買ってくるね。』と母が気を利かせて病室を出た。そこに居るのは、優花とみお、だった。