夏季大会の予選、ABCの3つのトーナメント戦で行われる。オレらの最後の夏が始まる。
その頃、同時に吹奏楽部も予選コンクールが開かれていた。

オレも優花も最後の大会だから、張り切っていた。

『優貴くん、どう調子は?』っと優花が言う。
『ああ、大丈夫だ。』
『そっちは?』
『まぁまぁかな。』
『ふーん。そうか。それより、みおは、大丈夫なのか?』
『うん、大丈夫だよ。むしろ、元気だって。会いに行く?』
『えっいゃ今は、無理だ。大事な時だから。無理するなって言ってやって。』そう、突然に告白してしまった時以来、見舞いに行くなどどうしようもなかったのだ。
『えぇ~分かった。伝えておくね。それより、試合は、いつなの?』

『明後日が初戦だ。』

『明後日か…。ちょーど空いてるから、応援行っても良い?』

『マジで。来なくて良いよ。初戦だし。オレの見せ所ないしさ。』
『えぇ~なんで?レギュラーじゃん。出れるじゃないの?』
『いやぁ~分かんないよ。オレ次第だしよ。』
『でも、良いじゃん、空いてるから、見に行ってみたいのダメかな?』
『…わかぁった。来いよ。ありがとうな。じゃあ~な。』

お互い、話し終えて再び、練習に取り組んだ。
なぜか、優花かは、前より、ちょくちょく話しかけてきた。

そして時は、経ち予選大会、初戦が始まった。

順調の試合のながれだった。

その頃、みおは…。
診察の日そして、結果。
母『みおは、どうなんですか?』
担当医『みおさんの体調は、きわめて良好です。お母さん、大丈夫ですよ。みおさんは、頑張ったから。』
母『でも髪の毛が抜けて大分ショックみたいなんです。』
担当医『気を落とさないでください。副作用なので。でも本当、病状は、きわめて良好です。
ただ、一時的は仮退院を認める事は可能ですが、本格的にとは、まだ出来かねます。』

母『でも、仮退院は、オッケイなんですよね。』

担当医『一週間なら。でも、無理は禁物です。その旨、みおさんに、お伝えしますね。』

母『はい、お願いします。』
担当医『良かったですね。』
母『ありがとうございます。』


みおは、これで少し病から解放される事になった。