いのちの戦いをみおがしているなんてオレは、まだ、知らなかった。それどころか知る余裕など無いほどだった。

夏季大会、3年になったオレ達。レギラーになって試合にでる最後のチャンス。去年、オレは、怪我のため秋季大会に出れなかった。そのため実は、悔しさもほんのちょっとあった。だから、オレはあきらめないでリハビリを続け、やっとのこと、試合にも出れるようにもなった。

だが、問題が起きていた。思うように体が動かずゴールがなかなか決められないのだ。本来は、意外に外すことは、ないのだが…

『おーい。優貴よ~。頑張れよ。もっと、いきよいつけて走ってゴールしろよ。分かるかぁ~。』コーチの声が響いた。オレもびっくりだった。思うように動けない。ここぞの時足が止まる。ゴールを目指して投げ込めない。そんな時、優花がなぜか見に来てた。

(ピーイっと、ホッイスルが鳴る)
『休憩だ。10分な』
やっと休憩になり優花がオレの所に近づいてきた。顔を洗っていると『お疲れ。あのさ、いきなりなんだけど、一緒に帰ろうよ。待ってるから。』っと優花が言った。驚いた。『えっあっ、良いけど。それより、優花、部活は?』
『さぼった。そりじゃあだめかな?』
唐突だった。『うんや。まぁ~。いんじゃない。たまには…。』っと適当に答えた。
『いい加減ね。』と言われた。『わりぃ~。あと、45分あるけど良いかな?』っと答えたが不思議だった。さぼったのないみたいな優花だったし、確かまだ、みおの見舞えしてたはずだから。でも、あえてそれ以上言わなかった。優花も、『うん、じゃあ~図書室にいるね。終わったらメールして。』
『あぁ、分かった。じゃあ、後で。』

まるで、カレカノみたいに別れた。

時は、刻々と過ぎていった。部活は、無事に終わった。

思っていた以上に部活が長引いたのでお詫びを入れつつメールをした。「わりぃ~待たせた。図書室で待っていてくれ。迎えに行く。」っと送りながらメールしてみた。が、返事がない。やべー、怒らせてしまったかなっと心配になった。

焦って、図書室に行くと、優花は、寝ていた。

顔をよく見ると泣いた後があった。もうそろそろ、図書室を閉めるからと言われ優花を起こそうとした。
すると、優花は、寝言を言った。『なんでよ。どうして。』っと。
図書の先生が『まだ居るの。早く帰りなさい!』っと言ったので慌てて、『優花帰るぞ。』っと揺すって、そこからでた。