天使の舞―前編―【完】

「え~…。あ~…。
はい!じゃぁ以上ですぅ!
今日も1日よろしくお願いしますねぇ。
分からない事は、僕か広木さんに聞いて下さぁい。」


軽く無視されて、宮田は話を終える事にしたようだ。


肩を落とし、ため息をついて、宮田は早々に奥の事務室に足を向けた。


フロアに残されたのは、乃莉子と二人のいがみ合う王子。


「え~と…。
じゃあ、始めようか。」


乃莉子は作り笑いをして、悠と彼方を相互に見上げた。


不貞腐れた顔でそっぽを向いている悠と、相変わらず下を向いて、薄い笑みを浮かべている彼方。


相反する二人の様子に、朝からどっと疲れた乃莉子だった。