天使の舞―前編―【完】

「何だとこの野郎!!」


まんまと魔界の王子の挑発に踊らされて、天界の王子は感情のままに叫んでしまった。


「どどど…どうしたんですかぁ?
ビックリしちゃいますよぉ。」


宮田は必要以上に、オーバーに驚いてみせた。


そんな宮田を横目に、悠は続ける。


「俺は認めないぞ。
魔力で操って付けさせた名前に、意味なんかない!
お前はまだ“アマネ”なんだよ!
俺はお前の呼び方を、変えるつもりはないからな。」


「何?何の事ですかぁ?」


全く話が見えない宮田は、悠に仲間に入れてほしくて問いかけたのだが…。


ムスっとして前に向き直った悠が、宮田に答える事はなかった。