そんな二人の甘い時間は、長くは続かなかった。
すぐ後を追って来た、アマネとシラサギに見つかってしまったからだ。
キャスは、片腕に乃莉子をしっかりと抱え、自らの白き翼で覆い隠した。
そして深海の瞳は、舞い降りて来る、黒い翼の二人を鋭く見つめている。
「キャスパトレイユ、乃莉子をこちらに渡してもらおうか。」
優雅に地上に降り立って、アマネは、真顔で言葉を投げた。
覇権とは、覇王とは、そんなにも魅力的で名誉なモノなのだろうか。
覇権を握っているキャスの父である天王は、妃シンシアと過ごす時間が少なくなると、覇王でいる事の忙しさを、いつもぼやいていた。
だからキャスパトレイユは、覇王という立場に、なんら魅力を感じた事はなかった。
すぐ後を追って来た、アマネとシラサギに見つかってしまったからだ。
キャスは、片腕に乃莉子をしっかりと抱え、自らの白き翼で覆い隠した。
そして深海の瞳は、舞い降りて来る、黒い翼の二人を鋭く見つめている。
「キャスパトレイユ、乃莉子をこちらに渡してもらおうか。」
優雅に地上に降り立って、アマネは、真顔で言葉を投げた。
覇権とは、覇王とは、そんなにも魅力的で名誉なモノなのだろうか。
覇権を握っているキャスの父である天王は、妃シンシアと過ごす時間が少なくなると、覇王でいる事の忙しさを、いつもぼやいていた。
だからキャスパトレイユは、覇王という立場に、なんら魅力を感じた事はなかった。


