乃莉子を腕の中に納めて、キャスは少し気持ちにゆとりを持った。
相変わらず、瞳は深海の色をしているが、柔和な顔つきだ。
キャスは、アマネの方に視線を移した。
「アマネさ・・・。
魔王の親父さんに、どんだけ忠実なんだよ。
俺から乃莉子を奪う事だって、親父さんの命令だったよな?
そんな理由で、妃を決めていいのか?
お前、シラサギが好きなんだろう?」
「…うるさい。」
「お前さぁ、素直になれよ。
正直が一番だぜ。
自分の気持ちに嘘ついたって、絶対に後でしわ寄せが来るんだからよ。」
「うるさい!!」
キャスパトレイユの言葉を振り払うかのように、アマネは叫んだ。
自分の気持ちに正直になることが、アマネは怖かった。
いつどんな場面にあっても、アマネには父の支配が付きまとい、今まで自分の意思で動く事など、なかったのだから。
相変わらず、瞳は深海の色をしているが、柔和な顔つきだ。
キャスは、アマネの方に視線を移した。
「アマネさ・・・。
魔王の親父さんに、どんだけ忠実なんだよ。
俺から乃莉子を奪う事だって、親父さんの命令だったよな?
そんな理由で、妃を決めていいのか?
お前、シラサギが好きなんだろう?」
「…うるさい。」
「お前さぁ、素直になれよ。
正直が一番だぜ。
自分の気持ちに嘘ついたって、絶対に後でしわ寄せが来るんだからよ。」
「うるさい!!」
キャスパトレイユの言葉を振り払うかのように、アマネは叫んだ。
自分の気持ちに正直になることが、アマネは怖かった。
いつどんな場面にあっても、アマネには父の支配が付きまとい、今まで自分の意思で動く事など、なかったのだから。


