天使の舞―前編―【完】

アマネから離れるように、乃莉子はベットから立ち上がる。


「私、あなたの妃なんかには、なりませんから!
そ…それに、悠くんにあんな酷い事をしようとするなんて、最低です。」


この言葉は、かなりアマネを刺激した。


「キャスを庇うのか?
キャスを愛してはいないと、言ったではないか。
お前を…天使には渡さん。」


アマネは、乃莉子の腕を掴む。


「やだ!触らないで!」


「うるさい!」


乃莉子はアマネの手を振り払おうとしたが、そのまま引っ張られ、ベットに力強く押し倒されてしまった。


「何するのよ!離して!」


アマネは乃莉子を見つめ、妖しく笑う。


「これより先、お前は俺のモノだ。
俺だけを愛せ。
俺も愛そう。
愛し合わねば、意味がない。」


馬乗りの格好で、乃莉子の動きを封じたアマネは、自分の体重を乃莉子に落とした。


「止めて!」


乃莉子は叫んだ。