アマネは力一杯、シラサギを抱きしめる。
「これを最後にするから…。」
アマネの静かな言葉に、シラサギは従った。
抗う術など、シラサギにある筈がない。
叶う事なら、シラサギの方こそ、ずっとこうしていたかったのだから。
不意に体の自由が戻った。
アマネの腕が、シラサギから離れたのだ。
「行く。
妃を待たせてある。」
アマネは立ち上がり、何かを振っ切ったように、しっかりと階段を踏みしめた。
「はい。
私は扉の外に、控えております。」
アマネの後ろ姿に一礼して、シラサギはそれ以上の言葉を飲み込んだ。
自分の震える声で、アマネの決心を鈍らせる訳には、いかなかった。
シラサギは、永い月日をかけて育んだ、甘く心地よかった想いに、別れを告げた。
「これを最後にするから…。」
アマネの静かな言葉に、シラサギは従った。
抗う術など、シラサギにある筈がない。
叶う事なら、シラサギの方こそ、ずっとこうしていたかったのだから。
不意に体の自由が戻った。
アマネの腕が、シラサギから離れたのだ。
「行く。
妃を待たせてある。」
アマネは立ち上がり、何かを振っ切ったように、しっかりと階段を踏みしめた。
「はい。
私は扉の外に、控えております。」
アマネの後ろ姿に一礼して、シラサギはそれ以上の言葉を飲み込んだ。
自分の震える声で、アマネの決心を鈍らせる訳には、いかなかった。
シラサギは、永い月日をかけて育んだ、甘く心地よかった想いに、別れを告げた。


