ミヤビはアカツキから、その事実を聞かされて、心の底から嘆き、悲壮感に押し潰されそうだった。
でも或いは、王子を産めば魔王は、自分を認め振り向いてくれるかもしれない。
そんな淡い期待が、ミヤビの心の支えであったのだが、王子を産んでも尚、アカツキがシンシアを忘れる事はなかった。
毎夜シクシクと泣きながら
『覇王におなりなさい』
と語る母は、幼いアマネの目にも、とても儚く映ったものだ。
そんなアマネの記憶は、自分の未来をも支配して、誰かを愛する気持ちまで、無意識に制御させた。
愛するのは、人間の女でなければならないからだ。
でもアマネは、共に同じ時間を育ったシラサギに、特別でいる事を望んだ。
シラサギにだけは、心を許し本音で語り、時に弱音を吐いたりもできたのだ。
アマネはシラサギを、姉のように慕っていたはずだったのに。
でもある日気づいてしまった。
シラサギが、女である事に。
でも或いは、王子を産めば魔王は、自分を認め振り向いてくれるかもしれない。
そんな淡い期待が、ミヤビの心の支えであったのだが、王子を産んでも尚、アカツキがシンシアを忘れる事はなかった。
毎夜シクシクと泣きながら
『覇王におなりなさい』
と語る母は、幼いアマネの目にも、とても儚く映ったものだ。
そんなアマネの記憶は、自分の未来をも支配して、誰かを愛する気持ちまで、無意識に制御させた。
愛するのは、人間の女でなければならないからだ。
でもアマネは、共に同じ時間を育ったシラサギに、特別でいる事を望んだ。
シラサギにだけは、心を許し本音で語り、時に弱音を吐いたりもできたのだ。
アマネはシラサギを、姉のように慕っていたはずだったのに。
でもある日気づいてしまった。
シラサギが、女である事に。


