天使の舞―前編―【完】

「まずはその、忌々しい翼を削いでやる。」


ニヤッと、口元に楽しむかの様な笑みを浮かべ、アマネは深紅の瞳を細めた。


アマネは普段、悪魔の悪魔たる性を意識して押さえるため、眼鏡を掛けて、深紅の瞳を封印しているのだが…。


しかし。


今回はシラサギが絡んだ。


深紅の瞳を解き放つほど、アマネの怒りは極限であった。


「この変態ドS悪魔め!」


言い終わらない内に、キャスは力付くで地面に膝を着かされ、両肩を二人の悪魔に押さえられた。


その屈辱的な姿勢で、キャスパトレイユはアマネを睨む。


だが、キャスは頭をも押さえつけられ、背中を丸める格好になり、アマネを睨むことすら叶わなくなった。