―――。


地上に降りて、シラサギに向かい合ったキャスは、率直な感想を述べた。


「お前さぁ…乃莉子に似てるよな。」


「はい。
お恐れ多い事ながら、私もそう思いました。」


「アマネがなんで乃莉子に執着するのか、大体の想像ついたわ。」


キャスはそう言うと、意地悪な笑みをシラサギに向ける。


「そういうことだろ?」


追い討ちをかけるように、キャスは続ける。


「アマネも酷い事考えるよな。
乃莉子をお前の、身代わりにしようって魂胆か。
持ってこいの見た目の人間だもんな。
お前、それでいいのか?」


シラサギは少し考えて、クスッと笑い、鈴の音のような声で、キャスパトレイユを怒らせた。


「ご所望とあれば、乃莉子様に似た私が天界へ参って、あなた様の妃に召されましょうか?
アマネ様のためならば、私は如何なる事でも致します。
あの方こそ、覇王になられるべき王子ですから。」