魅惑的な瞳が、乃莉子を伺っていた。


そんな瞳で見つめられたら、男性にあまり免疫のない乃莉子は、危なく彼方の手玉に取られてしまうだろう。


そもそも、彼方の顔立ちといい、知的な雰囲気といい、乃莉子の超好みなのだから。


「悠くんに名前をつけたのは、彼の事が好きだから、って訳じゃなくて…。
たまたま、そうなっちゃったというか…。
え~と…。
成り行きみたいな、もんなんだけどね。」


乃莉子はドキマギしながら、事の経緯を説明した。


しかし内容がザックリすぎて、彼方に伝わったのかどうか、いささか疑問だ。


でも、そんな乃莉子の話を聞いて、彼方の口元が微かに上がった。