(……あたし………、何やってんだろ……………。)




これで何度目の自問だろうか。


少女────小浜明日香(おばまあすか)は少し考えてみたのだが、どうも頭が上手く働かない……。


今、彼女が身に付けているのは、白を基調としたビキニの水着のみだった。腰には、椰子の木がデザインされたパレオを巻いている。


ふと、周りを見渡してみた。


どこか、非現実的な風景が広がっている。


どうやら、南太平洋かカリブ海あたりの島らしい。ギラギラと照りつける南国の太陽が、アスカの剥き出しの肌を焼いている。


空と海は、まるで絵の具の原色の青色を流したかのよう。水平線には、申し訳程度の雲が泳いでいる。


海を渡る風が、椰子の葉と彼女の栗色のセミロングの髪を揺らしている。足元の砂は、白い水晶を敷きつめたかのようにキラキラと陽光を跳ね返し、程良い熱さが足の裏に心地良かった。


(……これが………ホントのリゾートならなぁ…………。)


アスカは、心からそう思った。



しかし、砂浜のそこかしこで繰り広げられている、「見たくない」光景、「聞きたくない」声───それらが、彼女に今置かれている状況を十二分に説明してくれている。


この場所は、いわゆる「乱交パーティー」と呼ばれる集まりに使われているのだった……。




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